
11月の二十四節気、日本各地で行われる行事やイベントをまとめました。二十四節気は古代中国で考案され、日本にも伝わって農業や日常生活の指標として使われました。是非レクリエーションの豆知識としてご活用ください。
11月の二十四節気
11月に含まれる二十四節気(にじゅうしせっき)は 「立冬(りっとう)」と「小雪(しょうせつ)」 の2つです。それぞれを詳しく説明していきます。
1. 立冬(りっとう)
- 時期:11月7日頃(太陽黄経225度)
- 意味:文字通り「冬が立つ」という意味で、暦の上では冬が始まる日となります。
- 特徴:
・日中は「小春日和」と呼ばれる穏やかな日もありますが、朝晩の冷え込みは一段と厳しくなります。
・「木枯らし1号」(西高東低の冬型の気圧配置で吹く強い風)が観測される地域もあり、本格的な冬の到来を感じさせます。 - 日本の風習:
・冬支度: 寒い冬に備えて、こたつ開きや暖房器具の準備を本格的に始めます
・茶の湯: 茶道の世界では、この日を「炉開き」として新しい茶の葉を開封し、お正月と並ぶ大切な節目とします。
• 七五三: 11月15日を中心に、子どもたちの成長を祝う七五三のお参りの時期と重なります。• 酉の市: 11月の酉の日に、関東を中心に行われる開運招福・商売繁盛を願うお祭りです。 - 自然:
• 冬枯れの景色の中に、山茶花(さざんか)が咲き始めます。(立冬の初候:山茶始開)
• 晩秋から初冬にかけて、清々しい香りの水仙(すいせん)が咲き始めます。(立冬の末候:金盞香)
• 平野部でも紅葉がクライマックスを迎えます。
• 北国や高地では初冠雪の知らせが届くことがあります。
• 朝の地面に霜や薄氷が見られるようになります。(立冬の次候:地始凍)
2. 霜降(そうこう)
- 時期:11月22日頃(太陽黄経240度)
- 意味:「わずかな雪」という意味で、まだ本格的に積もるほどではないものの、北国や山沿いでは雪がちらつき始める頃です。
- 特徴:
・天気図が西高東低の典型的な冬型になり、冷たい北風が強まります。
・空気が乾燥し、虹が見えにくくなります。 - 日本の風習:
• お歳暮: 年の瀬に向けて、日頃お世話になった方へ感謝の気持ちを込めて贈り物をするお歳暮の準備を始める時期です。
• 勤労感謝の日・新嘗祭: 11月23日は勤労感謝の日です。宮中では、その年に収穫された新穀を神様に供える新嘗祭(にいなめさい)が行われます。
• 雪囲い: 積雪地帯では、庭木や家屋を雪の重みから守るための雪囲いを始めます。 - 自然:
• 落葉樹が葉をすっかり落とし、冬のたたずまいになります。
• 橘(たちばな)やみかんなどの柑橘類が黄色く色づき始め、旬を迎えます。
• アロエが花芽を伸ばし、鮮やかな花を咲かせます。
• 青空の下、風に乗って雪が舞う風花(かざはな)」が見られることがあります。
• 冷たい空気のため、虹が見えなくなる頃とされます。
この二つの節気を通じて、日本の暮らしは本格的な冬の到来に向けて静かに、確実に準備を整えていくことがわかります。
ちなみに… 二十四節気は毎年日付が違う?
ちなみに、二十四節気の日付は毎年±1日程度で変動します。これは、地球の公転周期が365日よりも約6時間長いことと、うるう年による調整のためです。二十四節気は、地上から見た太陽の角度(太陽黄経)を24等分して決められるため、地球の公転軌道上で太陽が特定の角度に達する日時が毎年ズレることにより、日付も変動します。
10月にある日本の行事・イベント
国民の祝日
• 11月3日:文化の日(国民の祝日)
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨とする日です。全国の美術館や博物館で無料開放や特別展示が行われます。
• 11月23日:勤労感謝の日(国民の祝日)
働く人々に感謝する日です。そのルーツは、天皇陛下がその年の新穀を神様に供え、収穫に感謝する**新嘗祭(にいなめさい)**という宮中祭祀です。
伝統的な行事
• 七五三(11月15日を中心に)
子どもの健やかな成長を祝い、3歳・5歳・7歳の節目に神社に参拝する行事です。前後や週末に家族でお祝いすることが一般的です。
• 酉の市(11月の酉の日)
関東地方を中心に、商売繁盛や開運を願って神社で行われるお祭りです。縁起物の熊手(くまで)が売られ、年末の風物詩の一つです。(開催日は年によって異なりますが、11月に2回または3回あります)
• 十日夜(とおかんや)(11月10日頃)
旧暦10月10日の収穫祭で、地域によっては田の神様を見送ったり、子どもの行事として藁鉄砲で地面を叩く風習などがあります。
各地のお祭り
• 唐津くんち(佐賀県 唐津市)
時期: 11月2日~4日
概要: 巨大な鯛や獅子などをかたどった豪華絢爛な「曳山(ひきやま)」が旧城下町を巡行する、九州を代表する勇壮な祭りです。
• 八代妙見祭(やつしろみょうけんさい)(熊本県 八代市)
時期: 11月22日~23日
概要: 豪華な飾馬や「亀蛇(きだ)」と呼ばれる出し物が特徴的な行列が市街地を練り歩く、活気のある祭りです。
• 松明あかし(たいまつあかし)(福島県 須賀川市)
時期: 11月第2土曜日頃
概要: 高さ10メートルにもなる巨大な松明を燃やして戦没者を弔い、町の平和を祈る、迫力ある火祭りです。
• 防府天満宮御神幸祭(裸坊祭)(山口県 防府市)
時期: 11月第4土曜日頃
概要: 約5,000人の裸の男衆が御輿を担いで練り歩く、西日本有数の荒祭りです。

